猛き黄金の国
ー士魂商才! 岩崎彌太郎の青春ー




     2001年  3月  12日
                13日

ずっと、書かずにいた。本公演を、覚えてる限り書きたいと思います。

まず、幕開きの彌太郎さんは流石の貫禄って言うか、アーこれやるのねって、思いましたが、
社員で出てるの判ってたので、やっぱり主立った方々見てません。(笑)
下手側で神月さんと、一緒上懸命に男臭く見せようと頑張ってたのが印象的でした。
でもね、まだ無理があるような気がしてました。
二人とも幼いのよね、背伸びしてるようにしか見えなかったもの。
この後のカーテン前は、原作にあるエピソードの変形です。
印象的だったけど、若干変わってます。
原作との比較は後にやりたいと思います。

本公演で印象的な場面を、つらつらあげていきますね。
まず、竜馬の出は格好いいけど、実際の彼らならあんな出会いな訳無いですよね。
芝居の見せ方の典型的パターンだなって思いました。(笑)
竜馬は完全に石田先生のオリジナルになっていたように思います。
だって、沖田総司との絡みがあるなんて本当なら不自然、彼は江戸と、京都を何度往復してるのかしら。
でも、ブンちゃんは、伸び伸びやってて好きは好きなんですがね。

話しの流れから沖田総司の蘭香さん。
良い役で、良かったですねって言うか、でも絡む人の少ない役でそれは残念だろうなって思った。
でも、個人的にブンちゃんと総司の絡みは懐かしくって、嬉しくって、切なかったです。
どうしても「誠の群像」に重なるのよね…。

象二郎は本当に豪快で、大柄な彼女にピッタリというか、楽しんでるなって思いました。
うん、彌太郎との関係が凄く近くなってましたが、本当なら上司と部下になるので、
もう少し距離があります。
川田さんとの方が、もっと近いんだけどなぁー。
川田のかしげさん。
私のこの役のイメージからしたら、綺麗でやっぱり彌太郎との年齢差が表に出てしまうのが、
惜しかった…。

東洋先生は好きですね、この方も豪快で人物が豪快だから最高に盛り上がる。
武市との三人の絡みは年末の「ドラマシティ公演」を思いだして秘かに受けてました。
武市に最後に象二郎がかける台詞に「恨みはらす」って感じで、個人的に盛り上がってました。

武市の立樹さん、熱血で良いんだけど、すみません残らない。
竜馬との絡みないしね、親友って言っても説得力が無いものなぁー。

三野村さん(紀ノ利さん)の成瀬さんは、良い脇になってきたって言うか、
元々から上手い人の印象あったので、結構好きです。
でもね…。(^_^;)はっはは、後で…。
小栗の殿様との絡みは苦肉の策ねって。
未来さん小柄な方でしょ、成瀬さんおっきいから。
最後まで立たせない演出は納得して見てました。
しかし、未来さん上手いね、流石です。

グラバー&アーネストの外人コンビは、楽しいですよね。
暴走するグラバーを、アーネストくんが、止めてる感じで、
儲け役って言うのかな…!?
儲け役で外せないのが、風早さんの、万次郎と鶴岡さん。
いや、どちらも楽しんでやられてるように見えて、思い切った役作りする方だと、
改めて、感心しました。

そして、女役のお二人、喜勢と丸奴(原作では、青柳でした。)の両人。
気の強い、芯のある女性として描かれてましたね。
作品上これで良いけど、やっぱり相手役は本来なら、喜勢さんじゃないよ。
グンちゃんなら、原作の紀ノ利さんの妹さんで見たかった。
好きあっていたからこそ、最後まで戦った男と女。
終生のライバルの男女を描いて欲しかったナァー。
丸奴も、良い女ですよね。でもどうしてもきれい事になる。
宝塚の場合仕方ないのだけど…。
もっと対立になるよ、あの人達は…。和解は原作にないし。

で、彌太郎さん。
やっぱり本領は壮年期。渋さも大きさも流石です。
青年期は、作ってますが見えるのが痛かった。
無理なく楽しむには、違和感なのかナァー、
そうそう、13日の日にオケボックスから出てきたときに、刀が腰に差せなくて困ってました。
あれは、ハラハラしたけど可愛かったナァー。
この後考えて、青くなっても居ましたけど…。

桂ちゃんは、あっちこっちに出てますからね、探すの大変。
どうしても新撰組が見落としがちで悔しいです。
海援隊は、12日は探せなかったのですが、13日は判りました。
はりせんに受けてのお芝居をしっかりやってて楽しそうだなって観てました。
で、本命は音二郎。
元気な暴れ者で、時期的にオッペケぺの前になる筈だしと思ってたのですが、
普通の書生姿で、一安心。
彌太郎さんと、話し込んでて、あの方に先に気づいて、下がりますが、
まるで、いたずら仕掛けてるようで、彌太郎さんが、足踏んじゃったのも、嬉しくって仕方なって、
顔して笑ってます。
可愛いです。(自爆)

ザッと、こんな感じかナァー。
うろ覚えのため、飛び飛びですみません。

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原作と、舞台について思ったことを書きます。


さっきも触れましたが、まず大事な人が登場してません。
三野村さんこと紀ノ利さんの妹。おさんさん。
江戸にのぼった彌太郎と、兄 紀ノ利を通して出逢います。
少し彌太郎より年上ですが、本気で惚れあった仲であることが、原作では描かれてます。
しかし、彌太郎は土佐の父親が倒れたとの知らせに江戸を離れます。
この父親が実はとっても大事な人物。
この親があればこその彌太郎像なのですが、この方も登場しませんネェー。
母親との約束を守るために好きあった二人は、別れます。
何時の日にかの思いを胸にしたまま。

そして、彌太郎は土佐で東洋先生の口利きで、喜勢さんと一緒になります。
この方は、此処で初めて登場。
その後も、青柳との舞台でもあるあの場面が見せ場なぐらいで、あまり活躍の場は無いようです。
舞台上での喜勢さんとのやり取りに、すみれコードギリギリだと言われるものがありますが、
私は、大人しいナァーって、思いました。
可愛くしてるって言うか。
本来の彌太郎なら、もっと露骨な言葉で指摘してるはず。
とてもエネルギーのある人物なので、精力的にもタフだったんでしょうね、
それを、表すのにあれが限界なのかナァー、
せめて悪びれずにスカッと言って欲しいです。

紀ノ利さんと、東洋先生との関係も矢張り異なって描かれてます。
基本的にそうは違わないけど、もっともっとエネルギッシュな方々です。
原作でわね。

象二郎は、女好きの面はどちらかというと、原作には無い話しです。
確かに借金ばかりしてますが、土佐藩のため、国のために作った借金ですね。
それを、上手く動かすのが、彌太郎と言うことになります。

そして、竜馬との出会いは、比較的静かにでも印象的に描かれています。
武市達の旅立ちを見送りに出ていた竜馬と出会うのです。
武市達に彌太郎が、絡まれて鉄砲を撃ちます。
それに、無邪気に竜馬が興味を示すのです。
そう、竜馬の鉄砲は彌太郎が、礼として渡したものなのです。
この出会いでの竜馬は実にあっけらかんとして、魅力的です。
その後の、長崎での絡みも実に興味深く描かれてますが、
舞台向きでなかったせいか、いっさい出来なかったのは残念です。

後 舞台に登場しないキーマンが、住友の広瀬 宰平が居ます。
彼は、住友銅山エピソードと、三井との海運業の戦争の時に登場します。
紀ノ利さん程、大きく関わっては来ませんが、影響力のある人物なだけに、舞台に登場しないのは、
ある意味残念です。

舞台の部分でも触れましたが、改めて。
おさんさん。との、戦です。
紀ノ利さんが、亡くなった後、彼女が影から三井を動かします。
三菱 三井の戦争は、この時よりいっそう激しくなるのです。
惚れた男だからこそ、その手で潰そうとした、おさん。
今でも、忘れないからこそ、出逢うたびに絡んでみせる、彌太郎。
二人は、最後まで戦います。彌太郎が、病で力つきるまで戦い抜くのです。
その壮絶なある意味での愛の形を、舞台上で見たかっです。
公演に出てくる、合併も実際は彌太郎の死後行われたものです。
三井の株を買い占めていたために、事実上今で言う吸収合併になるはずです。

彌太郎の死も、やはり舞台用の見せ方になっていますよね。
原作では、最後まで意識はしっかりしていて、社員や家族に見守られながら、
今後について、語りつつ死んでいきます。
確かに、これでは、魅せることは出来ませんものね。
ここは、良しとしましょう。(笑)

ザッと、思いつくままに、書きましたが、後数日で再び観ます。
どんな変更があるのか、聞いては居ても楽しみです。

                                      Megu